記事監修・作成:小さいわが家のお葬式(株式会社SEC)
「葬儀の費用面が不安」「故人を弔いたいが、費用をなるべく抑えた葬式がよい」「低予算で満足のいく葬式を行いたい」という方は少なくないでしょう。できるだけ費用を軽減するには、工夫が必要です。
そこで本記事では、葬儀の形式ごとの費用相場を解説するとともに、利用できる補助制度や費用を抑えるコツなどを紹介します。可能な限り希望通りの葬儀を執り行えるよう、ぜひ最後までご一読ください。
「小さいわが家のお葬式」では、すべてのプランで安置日数無制限で、安置料・ドライアイス料が無料。日延べの追加料金が発生しません。比較検討時の基準とすることをおすすめしています。 近年のドライアイスの原価高騰により葬儀社各社のプランの基本料金が値上げ傾向となっています。
また、プラン内容の見直しも行われいます。追加料金がかかるか否かは、各葬儀社によりことなります。
制限を設けている葬儀プランでは、既定の日数を超えると、1日ごとに5,000円~10,000円の追加料金が加算されてしまいます。
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まずは葬式にかかる費用の全国平均や内訳について、2024年の最新情報を紹介します。一般葬や家族葬など形式によって費用は異なりますが、葬式費用の目安として参考にしてください。
葬儀相談依頼サイト「いい葬儀」が2024年5月15日に発表した「第6回お葬式に関する全国調査(2024年)」の調査結果によると、葬式費用の全国平均は以下の通りでした。
葬式の形式 |
全国平均の費用相場 |
一般葬 |
161.3万円 |
家族葬 |
105.7万円 |
一日葬 |
87.5万円 |
直葬・火葬式 |
42.8万円 |
葬式の参列者や斎場の広さなどによって費用は異なり、規模が大きいほど高額となります。家族以外の知人・友人も参列する一般葬が最も高額であり、通夜・葬式を行わない直葬・火葬式が最も少額です。
2022年に実施された第5回の調査と比較すると、家族葬の割合が減少したのに対し、一般葬の割合が増加しました。行動規制の緩和に伴って、参列者が多い葬式を選択する風潮に戻ってきたことが理由だと考えられます。
また一般葬を営む件数が増えたことにより、葬式の形式を問わない費用の平均総額も第5回調査の110.7万円から、118.5万円へと増加傾向が見られました。
※出典:いい葬儀.「【第6回】お葬式に関する全国調査(2024年) アフターコロナで葬儀の規模は拡大、関東地方の冬季に火葬待ちの傾向あり | はじめてのお葬式ガイド」. https://www.e-sogi.com/guide/55135/ , (2024年8月13日).
「いい葬儀」によって実施された「第6回お葬式に関する全国調査(2024年)」における葬式費用の内訳項目は「基本料金」「飲食費」「返礼品費」の3つです。これらの内訳項目を合計した金額が平均総額の118.5万円です。
内訳の平均費用はそれぞれ以下のようになっています。
項目 |
平均費用 |
基本料金 |
75.7万円 |
飲食費 |
20.7万円 |
返礼品費 |
22万円 |
基本料金は「葬儀一式費用」とも呼び、斎場利用料や火葬場利用料、祭壇、遺影、棺、搬送費などが含まれています。葬儀を行うために必要な固定費用であり、規模によって異なりますが、人数や内容による変動はあまりありません。
飲食費は、通夜や葬式、告別式を終えた後に参列者へ振舞う食事やお酒のことを指します。こちらは参列者の人数によって変動がある費用です。
返礼品費は香典に対するお礼の品のことを指し、参列者の人数によって変動するのが一般的です。
上記の内訳項目以外にも、宗教者対応費用が発生します。仏教の場合だと、僧侶へ謝礼として渡す「お布施」に該当する費用であり、読経の謝礼・戒名授与への供養料などが含まれています。宗教や地域によって費用の相場は異なりますが、30万円程度が一般的です。
※出典:いい葬儀.「【第6回】お葬式に関する全国調査(2024年) アフターコロナで葬儀の規模は拡大、関東地方の冬季に火葬待ちの傾向あり | はじめてのお葬式ガイド」. https://www.e-sogi.com/guide/55135/ ,(2024年8月13日).
東京都や神奈川県など、都心部で営まれる葬式の平均費用は、全国平均と比べて高額になる傾向があると考える方も多いのではないでしょうか。
東京都の場合、葬儀費用の平均は127.6万円です。全国順位は47都道府県中18位とされており、中間層の中で上位の金額となります。
内訳は、基本料金76.7万円、飲食費23.2万円、返礼品費は7.7万円であり、全国平均と比べるとやや高額です。
全国で最も葬式費用が高額なのは栃木県の約179.5万円で、平均から約60万円の差があります。反対に最も葬式費用を抑えているのは香川県の約77万円で、栃木県の費用とは2倍以上の金額差があります。
葬式の形式は一般葬・家族葬・一日葬・直葬(火葬式)の4つに分類されます。参列者の人数や斎場の広さ、祭壇の大きさなど葬儀の規模によって費用は変動するため、一般葬から順番に費用は安くなるのが特徴です。
また都市化や核家族化で近所同士の関係が希薄になるといった社会背景などが要因で、昨今は参列者の多く集まる一般葬より家族葬が多くなっています。
それぞれの形式ごとの違いや費用の目安を解説するので、葬式の形式を決める際の参考にしてみてください。
一般葬は家族や親戚以外にも、訃報を広く知らせた友人や知人、職場の人、近所の人など生前関係のあった人が幅広く参列し、通夜と葬式・告別式などを2日間に渡って行います。
一般葬における平均費用は161.3万円であり、規模も大きいことから他の形式と比べても高額です。参列者の人数によって費用が変動し、見積もりよりも費用がかかる可能性があることに留意しておく必要があります。
家族葬は家族や親戚、一部の親しい友人のみに参列者を限定して執り行います。参列者の人数が少ないため、喪主・喪家側が全体や予算を把握しやすいという特徴があります。通夜・葬儀・告別式を2日にかけて行うのは一般葬と同様で、基本的な様式は変わりません。
家族葬における平均費用は105.7万円です。一般葬よりも安価になる理由は、小規模なため葬儀一式費用が低くなることに加え、参列者への飲食費や返礼品費が少なくなるためです。ただし、総額が一般葬より安いように見えても、香典が減るので持ち出しは変わらないか、むしろ増える可能性がある点に注意しましょう。
一日葬とは通夜を行わず、葬式と告別式をした後、火葬まで1日で終わらせるスタイルのことです。儀式を1日のみに限定して簡略化しているため、参列したくてもできない人が出てくる場合があります。生前に関わりのあった人に対しては、1日のみだという旨をあらかじめ連絡しておく必要があるでしょう。
一日葬における平均費用は87.5万円と、通夜を省くため一般葬・家族葬よりも比較的安価に行えます。しかし斎場によっては葬式に使用するのは1日でも、前日に遺体の搬送が行われることで2日分の費用を請求されるケースもあるため、確認が必要です。
直葬や火葬式は、一般葬で行う通夜や葬式・告別式などの宗教儀式はせず、火葬のみを行います。家族や親族など身内だけが立ち会うので、簡素な儀式形態となります。
直葬・火葬式における平均費用は42.8万円であり、火葬料金や棺、搬送費などの最低限必要な費用しか発生しないため上記3つの形式と比べて安価です。斎場利用料や飲食費、返礼品費を抑えられます。
先ほどは葬儀費用の内訳を「基本料金」「飲食費」「返礼品」と3つに分けてご紹介しました。
ここでは式場や祭壇などの基本料金を「葬儀費用一式」、香典への返礼品を含めた飲食費を「飲食接待費用」、お布施(宗教者や寺院へのお礼)を「寺院費用(お布施)」としてそれぞれの内訳や詳細を解説します。具体的にどのような費用がかかるのかの目安にしてください。
葬儀費用一式とは、通夜と葬式・告別式そのものに対してかかる費用のことです。「葬儀本体費用」とも呼ばれる場合もあり、必要なものが全てセットになった料金で案内される場合が多いです。
固定でかかる費用なので、見積もりから変動することは基本的にありません。
一般的に葬儀費用一式に含まれる内容は以下の通りです。
会場によっては役所手続き代行や枕飾り一式、後飾り壇一式、生花祭壇、会葬礼状などが含まれている場合もあります。一方で別途料金が発生するケースもあるため、事前の確認が必要です。
葬儀費用一式は斎場の大きさや参列者の人数など、葬式の規模によって変動します。祭壇の大きさによって30万〜120万円の幅で大きく変わることもあるため、予算に合わせて検討が必要です。
家族葬や一日葬、直葬・火葬式など、一般葬以外の形式を選んだ場合でも費用は大きく異なります。
飲食接待費用とは、参列者をもてなすために必要となる飲食費や香典返しを含む費用です。参列者の人数で異なり、参列者が多い一般葬が最も費用がかかります。
飲食にかかる費用の見積もりは、1回当たり1人4,000円と考えておくとよいでしょう。他の飲食接待費用の具体的な内訳と一般的な見積額は、以下の通りです。
火葬場での軽食や葬式・告別式を行う日の朝食も別途費用がかかるケースがあります。軽食や朝食は、通夜振る舞いや精進落としほどの金額を見積もる必要はありませんが、念頭に入れておきましょう。
どの形式を選んだ場合でも、弔問に訪れた参列者の人数によって飲食接待費用は変動する可能性があります。
寺院費用とは、通夜と葬式・告別式での読経や、戒名授与に対する感謝として、宗教者へ払う費用のことです。仏式葬儀の場合は「お布施」、神式の場合は「祭祀料」と呼ばれることがあります。
宗教者への感謝の気持ちとして渡すもので、報酬というかたちではないため金額に明確な決まりはありません。
一般的にお布施として包む費用の項目と相場は以下の通りです。
先祖代々付き合いのある菩提寺や寺院、宗教、地域、葬式の形式によっても費用は異なります。どの程度が相場なのかが不安な場合は、直接聞いてみてもよいでしょう。
通常、お布施は喪主から直接宗教者へと手渡すため、葬儀社からの請求には含まれません。また仏式・神式以外の宗教や無宗教形式の場合は、費用相場が大きく異なったり不要になったりする可能性もあるので、事前に確認しておきましょう。
「葬式費用が想定よりも高額になった」と困らないために、葬式における追加料金について、オプションやアップグレードの内訳を解説します。参列人数による費用調整についても説明するので参考にしてください。
葬式の代表的な追加オプションには以下のような項目があります。
湯灌(ゆかん)は、専用の用具やスタッフを手配しなければならないため通常はセット料金には含まれていません。希望する場合は早めにお願いしましょう。
エンバーミングはすぐに葬儀を営むことが難しい場合や、生前の元気な頃の姿を維持した状態で見送りたいという想いで追加することが多いです。
他にも菩提寺がない場合は寺院の紹介、またはお別れの花の手配、故人に行う死化粧などがオプションとして提供されているケースもあります。
散骨などもセットプランには含まれていないことが多いため、希望する場合はプラスで費用が発生することを留意しておきましょう。
祭壇や棺、骨壺など、最初のプランに含まれている葬祭用品は、簡易的なものであることが多いです。アップグレードしたい場合は追加で費用がかかります。
式場や安置室の規模によって費用の設定は異なるため、初期プランからの見積もりと比べて、費用に大きく差が出てしまうケースもあります。見積もりを取る段階で分かるので、予算や希望に合わせてすり合わせるとよいでしょう。
参列者の人数が増えたり減ったりすることにより、状況に応じた臨機応変な対応が求められるため料金の調整が必要となります。
参列者への飲食費や返礼品、香典返しなどで臨機応変な対応が求められることが多いため、いつまでに払うべきかなど、不明な点があれば葬儀社に相談をするとよいでしょう。
ここからは葬儀費用を支払う人や、葬式の流れなど、知っておきたいポイント・知識を解説します。葬式費用に関する注意点も紹介しますので、参考にしてください。
亡くなってから葬式を終えるまでの期間の目安は、3~5日程度です。逝去当日に葬儀準備、翌日に通夜、翌々日に葬儀・告別式・火葬となるのが一般的な流れです。
葬式までの具体的な流れは以下をご覧ください。
逝去当日(1日目) |
|
翌日(2日目) |
|
翌々日(3日目) |
|
死亡が確認された遺体は、病室から病院内の霊安室へ移されます。基本的に霊安室へは約数時間しか滞在できないため、移送先は早めに決める必要があります。このタイミングで移送先となる葬儀社へ連絡し、移送を依頼しましょう。
葬儀社が決まり、遺体が安置されたら、葬儀社の担当者と葬式の打ち合わせを行います。打ち合わせでは故人の遺言や遺族の意向を踏まえた上で、葬儀の形式や宗教の確認、場所・日程、プラン、喪主など、どのような葬式を執り行うのか細かいところまで決めていきます。
葬式にかかる費用は、原則として葬式を執り行う立場の「喪主」が負担します。喪主は故人の配偶者や子どもが該当することが一般的です。参列者からの不祝儀(香典)も喪主が受け取ります。
子どもが喪主となる場合は、兄弟姉妹で分割して負担するケースが多いです。親戚が協力して葬式を執り行う場合もあるため、その場合も分割して費用を負担します。
場合によっては葬儀を取り仕切る「喪主」と、費用を負担する「施主」とで役割分担するケースもあります。故人の配偶者が喪主として立ち、故人の子どもが施主として葬儀費用をまかなうといった場合です。
また、企業が主体となって葬儀を営む社葬の場合は、企業が葬儀費用を負担し、不祝儀(香典)は喪家が受け取る形式にすることもあります。社葬が行われる例として、会社の創業者や会長、社長などの経営陣が亡くなった場合や、業務中の事故で亡くなった場合が挙げられます。
なお、喪主や施主が費用を負担せず、故人の遺産で葬式費用をまかなうケースもあります。
葬式を執り行う前に知っておかないと、トラブルにつながる可能性のある注意点を5つまとめて紹介します。
葬儀社から提案されたプランにオプションを追加した場合や、アップグレードした場合の費用総額を早めに確認しておきましょう。料金形態に疑問や不安を感じたら、葬儀社に相談することが大切です。
決済方法についても確認しておきましょう。現金で用意すべきものと、カード決済や振り込みが可能なものがあります。また、急な出費となることが多いため、必要であれば葬儀ローンを利用が可能かも確認しましょう。
支払い期限が設定されているのであれば、いつまでに支払う必要があるのかの確認もしておく必要があります。「葬式終了後1週間以内」のように定められているケースがあるため、不明な場合は問い合わせてください。
香典は葬式にかかる総額費用の半分から3分の1程度であることが一般的ですが、あてにし過ぎて、費用が支払えなくなったという事態を招かないよう気を付けましょう。
安らかに故人を送り出すためにも、利用できる補助・扶助制度がないか知っておくこともおすすめです。
葬式費用は形式や規模、式場の広さなどによっても異なりますが、故人や喪主・施主、遺族の意向、葬式を執り行う地域の風習でも異なります。
東京や神奈川などの首都圏では、家族葬の形式を取るケースが多く、火葬までの期間が長いなどの特徴があります。
また全国でも葬式費用の平均が高額だった栃木県のように、飲食接待費にお金をかける地域もあるため、風習や内訳をよく調べておくことが大切です。
葬式が終了した後も遺骨の供養や法事・法要に費用が発生します。加えて四十九日・新盆・一周忌・三回忌法要などの追善供養の際にも、会場費やお布施、参列者への飲食費や引き出物がかかる可能性があることも考慮しておきましょう。
お墓を所有していない場合は購入したり、合同供養や樹木葬を利用したりするという選択肢も出てきます。それらの利用や維持費にも費用が発生するため、葬式だけに費用をかけ過ぎてしまわないように注意が必要です。
ここでは葬儀費用を軽減する補助・扶助制度について紹介します。申請する際の注意点も解説するので、利用を検討している方は事前に確認をしておいてください。
葬祭費補助金制度とは、葬式が完了した後に所定の手続きを行うことで、喪主または施主が給付金を受け取れる制度です。
国民健康保険に入っていたり、社会保険・共済組合に入っていたりすれば葬式費用による負担を軽減するための補助を受けることが可能です。
社会保険・共済組合は「埋葬料または埋葬費」、国民健康保険は「葬祭費」など、加入している保険の種類によって名称が異なります。申請方法や期限が違うため、加入している保険に合った申請方法を確認しておきましょう。
保険の種類 |
内容 |
申請期間 |
補助の金額 |
社会保険 |
埋葬料または埋葬費 |
|
5万円 |
共済組合 |
|||
国民健康保険 |
葬祭費 |
葬儀を営んだ日の翌日から2年 |
1万~7万円(地域によって異なる) |
国民健康保険の場合は、住んでいる地域によって補助される金額が異なるので確認が必要です。
葬祭扶助制度とは、生活保護を受けていて葬儀費用が捻出できない人を対象とした制度です。生活保護法に基づいたお別れができる制度であり、「生活保護葬」「福祉葬」「民生葬」などと呼ばれています。
以下の条件をいずれか満たしていれば葬祭扶助制度の対象となります。
最低限の補助しか出されないため、宗教者の読経などは基本的に行われません。直葬・火葬式を執り行うだけとなります。
補助金額の目安として、大人が20万6,000円以内、子どもが16万4,800円以内とされています。葬式を行う前しか申請ができない点に注意が必要です。
大切な人をしっかり見送れる葬式を営むためにも金銭面で大変な思いをしないよう、金銭の捻出方法を知っておくことが重要です。
保険利用や互助会制度、葬儀社の会員制度、預貯金の仮払い制度などを利用して、一部をまかなう方法について解説します。
故人が生命保険に加入していて受け取りが可能な場合は、葬儀費用の支払いに保険金を充てられないか検討してみてください。葬儀費用に充てられる保険の種類には、定期保険・養老保険・終身保険などがあります。
故人が葬儀保険や終活保険に加入していなかったかどうかも確認しましょう。
葬儀保険は「終活保険」とも呼ばれている生命保険の一種で、自身が死亡した際の葬儀費用をまかなうための保険です。
加入できる年齢の上限がありますが、自分の遺族が心配な場合は、早めに加入を検討しておくとよいでしょう。
家族の葬式をどの葬儀社で執り行うか事前に決めているのであれば、互助会に加入したり、会員になったりしておくことで、葬式にかかる費用の負担を軽減することも可能です。
葬儀社の互助会制度とは、経済産業省の認可が下りている葬儀社だけが運営できる制度のことです。毎月一定の金額を葬儀社に支払うことで、葬式や結婚式などの冠婚葬祭のために積み立てができます。
毎月少額ずつ支払えるため、いざ葬式で費用が必要となった場合でも新たに工面する費用が少なくて済みます。加入者の家族もサービスを利用できるという点もメリットです。
ただし葬儀社やプランの制限がかかってしまったり、全ての費用をまかなえなかったりするケースもあることは、留意しておきましょう。
「相続預貯金の仮払い制度」とは2019年7月1日に新設された制度で、故人の口座が凍結されてしまう場合でも一定金額を引き出せるというものです。各金融機関へ事前に確認・申請することが求められます。
申請が受理されると故人が死亡した際に「死亡時点での預貯金残高×法定相続分(相続人の取り分)×3分の1」または「150万円」を上限として、預金の仮払いを受けることが可能です。
制度を利用した場合、出金した総額を葬式費用として使用したことを証明する必要があります。また、葬儀費用で余った金額を私生活で使用したことが判明すると、単純承認と見なされてしまうため、注意しましょう。
ここからは葬儀費用をできるだけ抑えるコツを解説します。
検討・見直しをするべき点も紹介するので、参考になさってください。
葬式の種類や規模の見直しは、費用を抑えることにつながります。一般的に葬式は、参列者数や規模が小さくなるほど料金も控えめとなる傾向にあるため、変更を検討してもよいでしょう。
葬式には一般葬・家族葬・一日葬・直葬の4種類があり、一般葬から順に規模が小さくなっていきます。そのため一般葬を選択しているのであれば、通夜を省いて一日葬に変更するなど規模を小さくすることも有効です。
故人を安らかに見送る上で外せないポイントは押さえつつ、葬儀の規模を検討してみてください。
参列者をもてなす飲食費用や、葬祭用品を見直すことも視野に入れてもよいでしょう。
ただし飲食費用を見直す際は、参列者に失礼のない程度に抑える必要があります。参列者との関係性や地域ごとの風習も意識して検討してみてください。
参列者から供物や供花を受け入れる場合は、返礼品を用意する必要があるため費用がかさみます。受け入れるか断るかどうかをあらかじめ決めた上で、連絡を行うとよいでしょう。
棺や祭壇、生花などの葬祭用品についても、予算に合わせて無理のない範囲で調整する必要があります。
葬儀社が運営する葬儀場ではなく、地方自治体が運営する公営斎場の利用も費用を安く抑えられるため、検討してみてもよいでしょう。公営斎場であれば火葬場も併設されている場合が多いため、火葬場への移動費や時間も抑えられます。
ただし公営斎場と火葬場がセットになっている場所の場合、予約が取りにくい可能性があります。
他にも市民葬や区民葬を選択することで、葬儀社と直接契約するよりも安く葬式を執り行えるケースもあります。
日本で執り行われる葬式はほとんど仏式です。葬式は仏教・神道・キリスト教などの宗教や、その宗旨・宗派のしきたりによって大きく流れや金額が異なります。
仏式の場合、僧侶への謝礼として渡す「お布施」は、葬式にかかる費用全体の4分の1程度を占めるのが一般的です。
一方無宗教で葬儀を営む場合は、お布施が発生しないため、費用を抑えることが可能です。故人がもし無宗教での葬式を希望しているのであれば、検討してみてください。
仏式の場合でも、菩提寺がない場合は、僧侶の手配サービスを利用するのもおすすめです。
葬儀費用を抑えるコツとして、葬儀社選びも重要です。複数社の見積もりを取って比較するための方法や選び方のポイントを解説します。
納得感を持って葬式を営むためにも、生前のうちに見学や見積もりを取っておくとよいでしょう。
自分や故人の希望にマッチした葬式を執り行うためには、複数の葬儀社から見積もりを取って比較するのがおすすめです。
見積もりを取った費用でどの程度の葬式が実現するのかも、金額と併せてチェックしておくことで葬式のイメージがしやすく、相対的に見た上で葬儀社を決定できます。また追加する予定のオプションやグレードアップ内容も見積もりに入れておくことで、より具体的な費用を算出できるでしょう。
葬儀社選びで注意するポイントの一つとして、葬儀一式費用に加えて飲食費や返礼品費、お布施などの葬式全体でかかる費用の見積もりを複数社から取り、比較することも大切です。
また以下の注意点も押さえながら、希望にマッチした葬儀社を選びましょう。
上記の項目を確認した上で契約を行わないと、契約後にトラブルにつながる可能性があります。聞いていなかった、思い描いていた葬式にならなかったと後悔しないよう、ポイントを押さえて検討しましょう。
葬儀社ごとに組まれている葬儀プランの比較と、カスタマイズの必要性についても確認しておきましょう。
より正確に比較するためにも「どのくらいの費用でどのような葬式ができるのか」を意識して葬儀プランを比較します。
葬儀社ごとにプラン内容は異なります。実際のセットプランに含まれている内容とレベルを確認して、追加のオプションが必要かどうかを検討することが重要です。
スムーズに葬式を執り行うためにも、葬式に関する事前準備と生前対策としてできることを解説します。
葬式を執り行う立場である喪主は、葬式までに多くの事前準備を行う必要があります。スムーズに葬式を執り行うためにも、どのようなことを事前にする必要があるのかリストで確認し、進めましょう。
エンディングノートが作成されていたら内容を確認し、家族や親族、親しい間柄の人物など、本人が最期に会いたい人へ連絡して会いに来てもらいましょう。
また故人の死後は、本人名義の銀行口座は凍結されます。葬式費用を本人の預貯金から工面する予定であれば、早めに出金しておくことが大切です。
さらに危篤状態となっている段階で、まだ依頼する葬儀社が決まっていないのであれば、依頼先を探し始めてもよいでしょう。危篤状態になってから葬式を営むまでの短期間で、遺族は以下のような多くの事項を決断をしなければなりません。
できる範囲のことは早めに決めておくことで、突然の訃報に際しても冷静に判断できます。
財産の管理や生活支援などを代わって行う「生前事務委任契約」を結んで、葬式に関わる費用を確保しておくことも選択肢の一つです。
生前事務委任契約は任意後見や法定後見と似ていますが、判断能力がしっかりしていて、本人が元気なうちに契約を開始します。
生前事務委任契約を結ぶことで、病院での説明を一緒に受けたり、転居の際の身元保証人になったりできることに加え、財産管理も可能になります。あらかじめ伝えておくことで葬式費用の確保も可能です。
家族が離れて暮らす場合や、できるだけ周囲に負担をかけたくないと考えているのであれば、家族に相談の上で契約を検討するとよいでしょう。
葬式を執り行う上で必要となった費用は、相続税の控除として利用できます。相続税控除に利用できる費用とできない費用は以下の通りです。
相続税控除に利用できる費用 |
相続税控除に利用できない費用 |
|
|
控除申請を行う場合、実際に葬儀を執り行う費用として直接的に使用したという証明になる領収書が必要です。必要なものを購入する際は、忘れずにもらっておきましょう。
また相続税の申告や納税については、故人の死後10カ月以内に行わなければ罰則を命じられる可能性があります。
葬式に伴う手続きと、役所に必要な申請について解説します。いざというときのためにも、必要な手続きを確認しておきましょう。
死亡したことを知った日から7日以内に役所へ「死亡届」を提出する必要があります。
死亡届は、死亡した本人の本籍地や死亡地にある役所へ提出をすることが一般的ですが、届出人の所在地にある役所へ届け出ることも可能です。
「死亡診断書」や「死体検案書」も死亡届と併せて提出しなければなりません。死亡診断書や死体検案書は死亡届の用紙と同じ用紙にまとめられており、故人の死亡を確認した病院や警察署で用意してもらいます。
また日本では許可なしで勝手に火葬をしてはいけません。「埋火葬許可申請書」を役所へ提出して「埋葬許可証」や「火葬許可証」を発行してもらう必要があります。
役所への死亡届の提出と埋火葬許可証の取得については、希望すれば葬儀社が代行してくれます。不慣れな手続きで不安な場合は、依頼をしておくと安心でしょう。
葬儀後は、故人の遺産相続に関する手続きが必要です。
故人が遺言書を残していないか確認しましょう。故人が財産の分割方法や希望を書いている可能性もあるため、きちんと内容に目を通しておく必要があります。
その後、相続する財産は何があるのかをまとめた財産リストを作成します。プラスからマイナスまで、故人が抱えていた全ての財産を洗い出してください。
財産の分割協議には、相続人が全員そろわなければなりません。そのため、戸籍謄本を基に相続人の調査や確認も同時に行っておく必要があります。
借金のようなマイナスの財産を相続したくないのであれば、相続放棄や限定承認することも可能です。その場合3カ月以内に家庭裁判所へ申請する必要があるため、早めの決断が求められます。
葬式にかかる費用は少ないほどよい、というわけではありません。費用と併せてプラン内容も確認しておきましょう。
費用を気にし過ぎたせいで、故人とゆっくりお別れができなかったと悔やまずに済むように、葬儀社の担当者と納得がいくまで相談をして、葬儀の形式やプラン内容を決めるとよいでしょう。葬儀社と密なコミュニケーションを取っておくことは、葬式で後悔しないためにも重要なポイントです。
葬式にかかる費用は、会場の規模や参列者の人数によって変わります。小規模で参列者が少なければその分費用を抑えられますが、香典がない場合やオプションを付ける場合はかえって費用がかかる可能性もあるため、一概にはいえません。
故人を弔いたいという気持ちはあるものの、費用はなるべく抑えた身内だけの葬式を希望するのであれば、家族葬の他に、直葬・火葬式といった形式の葬式もあります。納得のいくかたちで故人を見送れるよう、丁寧に対応してもらえる葬儀社を探しておくことをおすすめします。
コンパクトかつ低予算でも、きちんと故人を送りたいと考えている場合は「小さいわが家のお葬式」へご相談ください。ご希望に合わせた豊富なプランからお選びいただける他、お見積もりもご提示いたします。不安なことや不明点がありましたら、お気軽にお問い合わせください。
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