散骨とは？

散骨とは、故人の遺骨を自然に還す供養方法のひとつです。海や山など自然環境に散骨することで、墓地を持たずに供養を行えるため、近年注目されています。特に海洋散骨や樹木葬が人気ですが、散骨には日本の法律やマナーを守る必要があります。費用や手続きは種類によって異なり、信頼できる業者選びも重要です。散骨の種類やメリット・デメリット、具体的な手続きや注意点を確認しておきましょう。

近年の需要増加の背景

散骨の需要が近年増加している背景には、日本では少子高齢化が進み、従来の「家族全員でお墓を守る」という文化が変化しています。核家族化や独身世帯の増加により、後継者がいない場合やお墓の管理が難しい家庭が増えています。また、都市部では墓地が不足しており、さらに土地価格の高騰が進んでいます。このため、新たにお墓を建てることが難しいケースが増加しています。散骨は土地を必要としないため、都市部の住民にとって現実的な選択肢となっています。「墓じまい」を行い、新たに散骨を選ぶケースも多いです。この他、経済的負担の軽減、ライフスタイルや価値観の多様化で、「自分らしい供養」を選びたいと考える人が増えています。海や森など、故人が愛した場所に還りたいという希望を叶えられる点が魅力的とされています。

散骨の特徴や従来の供養方法との違い

散骨は、故人の遺骨を自然に還す新しい供養方法で、主に海洋散骨や樹木葬などが行われます。従来の供養方法と異なり、墓地や墓石を必要としないため、土地の制約や管理負担がなく、経済的負担も軽減されます。また、自然志向や「自分らしい供養」を求める現代の価値観に合致している点が特徴です。一方で、遺族が訪れる「形ある供養の場」がないため、家族間で意見が分かれる場合もあります。自由度が高い分、法律やマナーを守ることが重要です。

散骨の種類

散骨の種類としては「海洋散骨」「山林散骨」「空中散骨」が知られています。この他にも、海外では「宇宙散骨」などもあり、日本には海外の会社の代理店としてサービス提供があります。それぞれ、詳しく解説していきます。

海洋散骨

海洋散骨は、船に乗って数キロ離れた沖合へ行き、船の上から海へ散骨することが一般的です。ひと家族で船を貸切って散骨するプランや、複数の家族が乗合で散骨するプランがあります。この他、事情があり乗船が難しい場合では、散骨業者や葬儀社へ散骨を委託する、散骨代行のプランがあります。海洋散骨の費用相場としては、貸切乗船散骨で150,000〜400,000円程度、乗合乗船散骨で100,000〜200,000円程度、散骨代行で20,000〜50,000円程度となっています。「小さいわが家のお葬式」の海洋散骨は、下記ページでご案内しています。
【海洋散骨｜小さいわが家のお葬式】

山林散骨

山林散骨は、ご遺骨を粉骨し、山へ散骨することです。自然葬である山への散骨と樹木葬は混同しがちですが「墓標の有無」「遺骨の形状」「手続き」の違いがあります。樹木葬は墓石のある墓所の代わりに、自然の多い環境に遺骨を埋める方法です。手続きや方法は墓所に埋葬する場合とほとんど違いがありません。自然葬の場合でも「埋葬許可証」の取得が必要になります。これに対して山への散骨は細かく砕いた遺骨を自然の中に撒く方法で、遺骨がその場に残ることがありません。骨を埋めるわけではないので埋葬許可書は不要です。山林散骨では、「許可を取れる山にしなくてはならない」「穴を掘る・墓標を立てるはNG」「山道を登れる体力も必要」の3点に注意が必要です。国内の土地は個人もしくは都道府県の所有になっているため、山にまく際にも所有者を確認し許可を取らなくてはなりません。

空中散骨

空中散骨は空中に遺灰を散骨する方法です。大空からの散骨はヘリコプターや小型飛行機を用いるため、費用がかかります。しかし、遺族にとっても貴重な体験となるでしょう。選ぶプランにもよりますが、ヘリコプターや小型飛行機を用いる空中散骨では、故人の思い出の地の上空を旋回してくれます。

散骨のメリットとデメリット

散骨でのご遺骨供養を検討する際は、後々後悔のないよう散骨のメリットとデメリットを確認しておきましょう。下記を参考にご自身の希望に合っているか、ご家族の理解を得られそうか判断してみてください。

散骨のメリット

散骨のメリットとしては「墓石が不要」「宗教や宗派を問わない」「故人の遺志を尊重できる」の3項目です。墓石を購入すると100万円以上かかり、その後も維持管理に費用がかかります。費散骨ではお墓が不用なので、負担を抑えられるのは遺族にとって大きなメリットです。宗教や宗派を問わない散骨は「死んだら海や山へ還りたい」といった故人の遺志を尊重できます。また、自然葬は自然に還るという考え方に基づき、環境負荷を最小限に抑えることを目指しています。

散骨のデメリット

お墓を持たない散骨は経済負担が軽減されます。しかし、お墓参りのように故人に思いをはせる固有の場所がなく寂しさを感じる方もいるでしょう。全てのご遺骨を散骨した場合は、後に回収ができないため、ご遺骨が残らないことに注意が必要です。この他、親族や周囲の理解を得にくい傾向があります。場合によってはトラブルに発展することもあるため、周囲が納得するまで話し合うことが大切です。

散骨をする際の注意点

散骨する場合には、火葬後にご遺骨を粉末状に粉骨する必要があります。一度、粉骨してしまうと、元には戻せないので注意が必要です。また、散骨は理解を得にくいケースもあるため、家族や親族間とトラブルにならないように、しっかりと話し合をしておきましょう。副葬品は自然に還らないものは撒かないよう注意してください。

散骨のよくある質問

散骨について、よくある質問をあげてみました。下記の他、疑問・質問があれば「小さいわが家のお葬式」では、24時間いつでも電話相談を無料でご対応中です。お気軽にお問合せください。

Q：散骨にはどれくらい費用がかかりますか？

プランによりかかる費用が異なります。海洋散骨では、貸切乗船散骨で150,000〜400,000円程度、乗合乗船散骨で100,000〜200,000円程度、散骨代行で20,000〜50,000円程度となっています。

Q：散骨の際に宗教儀式は必要ですか？

散骨の際に宗教儀式が必要かどうかは、基本的には個人やご家族の価値観や希望によります。宗教的な儀式を行う場合もあれば、宗教にとらわれない形式で散骨を行うことも一般的です。

Q：散骨はどのように申し込めばよいですか？

散骨業者や散骨サービスを提供している葬儀社へお問合せください。「小さいわが家のお葬式」の海洋散骨は、下記ページでご案内しています。
【海洋散骨｜小さいわが家のお葬式】